沖縄・春の彼岸の拝み方

2020年3月17日(火)から彼岸入りして、3月20日が彼岸の中日、3月23日(月)が彼岸明けとなります。

もともと彼岸は、春分の日を中日として、前後3日間の合計7日間のことです。
日本の歴史でいえば西暦806年2月に初めて仏教行事としての「彼岸会(ひがんえ)」が行われたことが、「日本後紀」に記載されています。
もともとは彼岸は「悟りを開くための仏道修行」であり、お墓参りの日ではありませんでした。
もともとの彼岸の意味に、日本独自の風習や考え方が加わったようです。
彼岸の期間になると、宗派問わず、彼岸会の法要が行われています。
また、諸説ある中で、そもそも仏教とは関係なく、太陽への信仰である「日願」が仏教の彼岸と結びついたと考える説があります。

彼岸は「この世(此岸・しがん)」と「あの世(彼岸・ひがん)」が近くなる日と考えられていて、故人との思いが通じやすくなる日である、と考えられていますのであの世から御先祖様が帰ってくるわけではありません。
ちなみにお盆は、御先祖様があの世から帰ってくると言われてます。

日本の彼岸では、春の彼岸はお墓にぼた餅をお供えし、秋のお彼岸にはお墓におはぎをお供えする習慣があります。
そもそも、同じ食べ物なのですが、時期によって呼び名が違うので、そう言われています。

それでは沖縄ではどうでしょう。

これも諸説あるので、まだまだ調べる必要がありますが、今の段階でわかっていること、今年の春の彼岸で私がやることをご紹介します。

沖縄での春の彼岸は、「自分よりずっとずっと先の先祖に対しての供養」と考えられています。
お墓にはいかないのですが、自宅の仏壇にお供えものをします。
チャーギ(またはお花)は新しくかえて、お茶やお水、お酒をあたらしいものにかえます。



お菓子・・・3品、5品、7品、9品など奇数の個数を1皿にいれる(写真のように9品がパックになった便利なものも売っています)



おかず・・・ウサンミ、チャワキともいいますが、重箱に詰める料理の中から、三枚肉、赤かまぼこ、昆布の3品は最低限お供えします。2品プラスして5品や4品プラスして7品など、奇数の品数、個数でお供えします。それを1皿(カタシー)。

お餅・・・3個、5個、7個、9個など奇数で。真っ白なお餅、またはきなこのついたお餅がおすすめ。お餅ではなく、俵のかたちに握ったご飯でも可。それを1皿(カタシー)。



果物・・・バナナ5本、みかん3個、りんご1個を1皿として、2皿。

ウチカビ・・・家族の人数分用意します。



お供ものをお供えし、 線香12本に火をつけて、香炉にたてて、今日が春の彼岸であること、旧暦や新暦をお伝えします。
1人3本の線香を人数分たてて、先祖への感謝などをお伝えします。
すべての線香が燃えたら、ウチカビを燃やします。
それからお供えものを「お下げします」と下げて、みんなでいただきます。

沖縄での彼岸がなぜカタシーでやるのか、果物だけなぜ対なのか、そもそも琉球王朝時代から彼岸はやっていたのか、という疑問がたくさん残っていますが、現段階ではこれ以上追求ができないので、まずはこのようなやり方で彼岸のお供えものをやりたいと考えています。
これからも調査を進めていきます。

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