床の神の歴史
床の神(トゥクヌカミ)・床神(トゥクシン)の歴史を紐解いてみると、もともとは琉球王朝時代の御殿などには床の間がありました。
1700年代後半に、床の間に香炉、花瓶、燭台(しょくだい)の三具足(みつぐそく)が置かれたと推定されており、一般の家の「床の神」に関しては、近代になってからと言われています。
一般庶民の住居には床の間はほとんど存在しておらず、そのことから床の神(トゥクヌカミ)があまり浸透していないという考察もあります。
床の神(トゥクヌカミ)・床神(トゥクシン)って何?
床の神とは家を支える大事な柱として、床の間にいる神様のことで、香炉と縁起物の掛け軸を飾って祀ることが多いです。
家長である男性が床の間の管理を担うこと、家の中の最良の位置に祀られていることから「男の神様」とも言われたりします。
床の神は父系の血統である筋(シジ)へつなぎ、そこからシジの先祖へお通しをして感謝を伝えたりします。
通常は一番座と言われる家の中で一番いい部屋に設けられ、仏壇は二番座に設けられます。
賃貸などで和室がないことも多く、作り付けの床の間がないことも増えてきていることから、日当たりのよい部屋の一角に場所を確保して簡易的に床の間を作る方もいらっしゃるそうです。
床の間へ置くもの
掛け軸・・・福禄寿、七福神、寅の絵、鶴亀などの掛け軸が多いのですが、その家庭によってもいろいろな言い伝えで掛け軸も引き継がれています。
家風はもちろん、その人のもっている霊(セジ)力とも関わっているという方もいます。
意味合いとしては、子孫繁栄・財産・長寿、商売繁盛などのおめでたい掛け軸が好まれています。
香炉1つ(置いていない場合もあり)
お水1つ
塩1つ
酒1つ
米1つ
お茶2つ(おいていないところもあり)
花瓶1つ(置いていないところもあり)
※使っている香炉や茶器の色はヒヌカンと同じ白か、青磁と呼ばれる薄い青い器を使います。
床の間への置き方
床の間の中央に花台と言われる花瓶などを置くための低く、四角い台を置きます。
その上に、お茶や、水、酒を置くのが基本です。
家によっては、それ以外に香炉や塩などをお供えしています。
どうやって仕立てる?
長男の場合は親から継承されますが、二男以下は結婚すると仕立てますが親から灰をわけてもらうことはしません。
ヒヌカンと同じように、家や家族の守り神・守護神ですが、ヒヌカンほど浸透していないのは、男性があまり積極的に御願をしてこなかったことにあるという説もある。
いつ御願む?
ヒヌカンと同じように、年中行事の際や人生儀礼において、家・家族の繁栄を祈るとされています。
また、毎月旧暦の1日と15日にはヒヌカンと同じようにうぶくを2つお供えして、お水やお茶、お酒やお花などを取り替えてから12本の線香をお供えします。
また、屋敷御願、旧正月の際にも御願みますが、それ以外に特別な日に御願むのは見られないようです。
床の神のうぶくなどのウサンデーは男性がいただくとされていますが、ヒヌカンのものは女性がいただくと言われているように、男性が御願むからそう言われていると思われます(男性・女性関係なく、いただいていいものだと私たちは認識しています)
お茶とお水に関しては、ヒヌカンと同じように、毎朝取り替える方も多くいらっしゃいます。
動画でもまとめてみたので、ぜひ動画も補足としてチェックしてみてください。