仏壇の香炉のこと

少しずつですが、仏壇の道具についてお話ししていこうと思います。

今日は「香炉」について。「香炉」は「こうろ」と読みます。
沖縄方言では「ウコール」と言います。

一番一般的なのが写真の香炉だと思います。
大きさも様々で、小さいものだと直径7センチくらいのものから、大きいものだと20センチくらいのものまであります。
仏壇の大きさに合わせて準備すればいいのですが、ここで重要な「大きさを選ぶポイント」があります。
仏壇の大きさが許す限り、できるだけ大きなものを選びましょう。
その理由としては、このように言われています。

香炉が大きいということはたくさん線香が立てられるということ。
つまり子や孫が多く訪れるということ、それは「子孫繁栄」を意味します。

これは私も納得して、香炉を買い換えたくらいですので、ぜひ、香炉が古くなった、新しくしたいということであれば、ひとまわり大きいものを準備するのもいいかもしれません。

そして、香炉を変えるタイミングですが、ユンヂチや旧暦七夕の日が良いとされています。
それらの日は「神様からこの世が見えない日」と言われており、そのタイミングで仏具を変えることで失礼に当たらないという考え方からです。

香炉も準備してそのまま使うと、線香を立てた時に高温になり、パキっと音をたててヒビが入ったり、割れてしまったりします。
これを防ぐためには大きな鍋に水をたっぷり入れて、その中に香炉を入れて、水を沸騰させて、5〜10分ほど煮ます。
そうすることで、香炉が強くなり、割れにくくなります。
その際に、あまり強火で煮ると、その衝撃で割れてしまったりするので、香炉が鍋の中で暴れすぎないように気をつけてください。

香炉を交換する時の手順を書いておきます。

(1)香炉を交換する準備をします
準備した新しい香炉を塩水で香炉を洗ってお清めします。
新しい香炉を大きめの鍋に入れて、水を入れ、沸騰してから5〜10分ほど煮ます。

(2)香炉を自然乾燥させます。
新聞紙の上などにおいて、丸1日ほど乾燥させます。

(3)乾燥した新しい香炉を数日おいて置くときは、キッチンペーパーなどに塩を包んで中に入れておきます。
これは、浮遊霊などが香炉に入ってくるのを防ぐためです。

(4)香炉を交換します。
新しい香炉に買ってきた新しい灰を入れて、これまでの香炉から灰をスプーンなどで3回うつします。
これまでの香炉に3本ウコーを立てて香炉をかえることを報告して、線香にのって新しい香炉にうつってくださいとお願いをします。
半分くらい線香が燃えたら、その線香を灰から抜いて、これまでの香炉の上で左回りに3回回してヌジファー(魂を抜く)します。
新しい香炉に、その線香を立てて、新しい香炉になりました、という案内をして、手を合わせます。

(5)これまでの香炉を処分します。
これまでの香炉は再利用せず、必ず処分しましょう。ビニール袋などに入れて、ハンマーなどで上から叩き割りましょう。
割ることでこれは器(香炉)ではなく、ただの焼き物としてその役目を終わらせます。
お住まいの地域の分別に沿って、ごみとして処分します。

これで香炉の取り替えが終わりました。

あとは香炉の向きですが、香炉は足が3本あります。
写真を参考にしてもらえればわかりやすいですが、手前が足が1本、後ろが2本が正しい向きになります。
時々、絵柄と足がずれてることがありますが、その場合は、絵柄に合わせるといいかな、と思います(購入する時に注意してみるとそれは防げますね!)

最近では高級な焼き物でできたとてもシックな香炉や、家紋が入った香炉など、いろいろな香炉があるので、ぜひ、お近くの仏具屋さんに足を運んでみて手にとって、ご自身が納得のいく香炉が準備できるといいですね。

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