離婚した場合のヒヌカンは誰が持つのか

「沖縄は離婚率が高い」

と言われることが多いですが、実際の統計上もそうなのでしょうか。
厚生労働省が出した、平成29年(2017年)人口動態統計(確定数)の概況から抜き出してみると、全国1位はダントツで沖縄県でした。

1位 沖縄県 2.44%
2位 宮崎県 1.97%
3位 大阪府 1.96%

そして、沖縄には結婚して家庭を持つと「ヒヌカンを持つ」という風習・文化もあります。
このヒヌカン、もしもこの夫婦が離婚してしまった場合どうなるのか。
そこの根本的な考え方が間違っていて、後々苦労してどうしようという相談も多くなってきています。

夫と妻。
離婚してしまった場合、ヒヌカンをどちらが持つか、という問題を考えるときに勘違いが起こりやすいのが、

ヒヌカンは女性の神様

と昔から言われている言葉。
この言葉の認識が甘いために「離婚したら妻のほうがヒヌカンを持っていく」と思う方も多いようです。

もともとヒヌカンは「その家・家族を守る神様」です。
夫は長男であれば両親からヒヌカンを引継ぎますし、二男、三男の場合は、結婚したときや家を買ったときなどにヒヌカンを置く方が多いのですが、そこで注意して欲しいのが、家長=男性、ということです。

ヒヌカンは女性の神様、床の間は男性の神様、と言われますが、それは女性だけが拝むもの、男性だけが拝むもの、という意味ではなく、台所にあるからヒヌカンは女性が、床の間は男性がよく座っているところ、という意味合いからそう取られています。

なので、離婚した場合は

夫がヒヌカンを持つ

というのが正解です。
妻側も、別れたとしても、子供がいる場合は、子供のことの拝みをする際には、夫が持つヒヌカンに、というのが基本的な考え方であることを忘れないようにしないといけないですね。
夫婦が離婚したとしても、その夫の一番最初の男子が仏壇を継承するので、離婚しても、元夫の姓を名乗り、そして、仏壇を継ぎます。
それをちゃんと理解している元妻は、旧盆、正月などの行事は元夫のところに子供を任せて、継承していくことを大切にしています。

夫婦が離婚することはある程度仕方のないことですが、夫婦が離婚したからといって、元夫の子供ではなくなるわけではないことに要注意です。

とはいってもさまざまな「感情」もあると思います。
「血」に勝る「感情」はより、物事を複雑にしてしまうと思います。

先に結論をお話しましたが、ヒヌカンは男性が拝むこともとくに問題はありません。
男性がヒヌカンを大切にすることは、その家のことを大切にすることでもあります。

離婚した方でヒヌカンを1人で守っている男性の方に多くお会いしていますが、みなさん、日々穏やかな表情をしていらっしゃるのが印象的です。
ヒヌカンに手を合わせることで、心が落ち着く、という方が多いように、沖縄では先人から、ヒヌカンに手を合わせる信仰が強い地域だと言えますね。

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